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社員対談「今、Helixesが求めるプロデューサー像」 

2021.11.02

Helixes Inc.のメンバーやそのマインドについて発信していく「Helixes.log」。

今回は、初期メンバーとしてmaxillaを牽引してきた鈴木聖也と、2021年3月新たに加わった松井一生の2人による対談をお送りします。
今のHelixesに必要なプロデューサー像から、プロデューサー視点で捉えた次なるHelixesの姿まで、互いの意見を交わしました。

─まずは今回の募集にあたって、Helixesが求めているプロデューサー像について教えてください。

鈴木 Helixesが事業を拡大していくなかで、単純にプロデューサーの人手がほしいから募集しているんじゃない、という点が重要かなと思います。映像や広告のプロデューサーはたくさんいるけど、なかでも新しくビジネスを創出する意識だったり、手法に拘らないソリューションを提案できるマインドを持った人が必要で。

松井 通常プロダクションのプロデューサーは、いかにお客様からの注文に答えていかに多くの利益を出すかという価値観を軸にした教育を受けるものです。それはそれで良いことに違いない。でも、Helixesで求めているのはものづくりの前の段階、つまり「本当にそれを作る必要があるのか、手段は合っているのか」というところから考え始める点なんですよね。それはクライアントから直接ご相談いただけることが多いのも関係しているかもしれないです。

鈴木 そうですね。クリエイティブでは映像のイメージが強いと思うんですけど、Helixesは映像制作だけにこだわりがあるわけじゃなくて、「映像制作」でご相談を受けたとしても、映像で伝えることが正解なのかどうかは必ず考えます。

松井 そういう場合、映像に限らず興味や知識が豊富なほうが魅力的なソリューションをつくれるだろうから、あまり型にはまりきっていない方がいいんじゃないかと。

鈴木 むしろ色んな経験を積んだ「野良」な人のほうがいいかもしれない。僕も、もともとは音楽のプロデューサーという出自だし、今いるメンバーの経歴や趣味を見てもとても多彩です。映像や広告だけに縛られていない。

松井 僕がこの会社に居心地の良さを感じる要因の一つとして、「自分たちで作る」風土があることがあるなと思っていて。maxillaの生まれ自体、自分たちで作ってできた会社だからかな。「受注からある」っていうより「作ることからある」というか。

鈴木 根底に、そういうDIYな気持ちはあるかもしれないですね。

─松井さんは入社されてから6ヶ月ほどですが、Helixesに入社した経緯を教えてください。

松井 僕は映画に関わってしばらくフリーランスを経験した後、広告代理店とプロモーション会社に勤めました。maxillaとの出会いは、転職活動中にお声掛けをいただいて、一度会ってみようというところから始まりました。

maxillaの作品をたくさん知っているわけではなかったのですが、実直でこだわりがある作品だなと惹かれました。尖っているけど、嫌な尖り方じゃないというか。とくに松野が監督した「JUSTIN DAVIS」は僕が映画をやっていた時に好きだったテイストに通ずるものがありましたね。

https://maxilla.jp/en/works/justin-davis-2020aw/

─その後、入社を決断した要因は何だったのですか?

松井 今言ったクリエイティブが好きだという点と、事務所から家が近いのが大きかったです。いや、これはけっこう真面目に言っていて、前職を辞める時に「なんでmaxillaに行くの?」って質問に「家が近いからです」って答えたくらい(笑)。

というのも、前職でリモートワークが始まったときに「人生と仕事」について改めて考え直すようになったんですよね。僕はそれまで、平日は朝から晩までずっと仕事して、土日は山登りで頭を切り替える、というルーティンで生きていて、プライベートと仕事が分離していた。それがずっと家にいることによって、人生と仕事が無理やり一緒くたにされたわけです。それが、かなり居心地悪くて。

そんなこともあって、より自分の人生と共鳴する仕事を探していた時に出会ったのが、maxillaでした。浅草橋にあるプロダクションって珍しいんですよ。しかも、なんであんな隅田川沿いに?って思いますよね。でも僕はオフィスの近くにあるその橋が、めちゃくちゃ好きだった。初めての自主映画を撮った場所もその橋なんです。どんな街が好きか、その趣味も近いから浅草橋にいるんだろうなって。そういうのも含めて選んだのは、本当です。

─入社してからの会社の印象や、今携わっているお仕事について教えてください。

松井 やんちゃな人たちがたくさんいるのかと思っていたんですが、意外なほど真面目で、社内の管理システムにもそれは表れています。今後の方針や営業戦略も日々練られているし、ビジネスとしては当たり前なんだけど、組織の基盤が想像以上にしっかりしているなと思いました。いわゆる「クリエイティブ集団」というようなワードから想像される派手さより、素直でリラックスしている感じがあった。

鈴木 もっとイカツイ人たちがいるイメージだった、とはよく言われますね(笑)。作っているものの印象なのか。でももともと体育会系の思想は根付いていないし、どちらかというとみんな草食ですね。鹿だし。企画を考えていくときにも「めちゃくちゃカッコいいもん作ろう!」ってカタい感じじゃなくて「こうやったら面白そうじゃない?」って話し合っているような、和やかな雰囲気だと思う。

松井 僕のお仕事だと、入社してすぐに秋田書店さんの漫画『刃牙』シリーズの30周年を記念したキャンペーンを担当しています。まず、施策第1弾として「刃牙異種創作技戦ッッ!」と命名したファンアートコンテストを開催し、Twitter投稿をメインに国内外から多くの力作が集いました。どれも『刃牙』への作品愛が全開で、毎日チェックするたび感動してました。

https://baki-30th.com/

鈴木 この施策、めちゃくちゃ面白いですよね。松井さんは入社してすぐのプロジェクトなのに、こんな面白いもの出せるんだって驚きました。過去の経験や、自分の能力を飛び越えた領域に踏み込める、柔軟性のある人だなって。

松井さんは『刃牙』以外にも大型プロジェクトにサクっと入っていってますけど、未知のことへの躊躇というか、バリアがまったくないですよね。知らないものに触れる、知る楽しさを大事にしているのかなって。

松井 たしかにないかも。聞いていて思い出したんですが、僕がHelixesに入社したいと思った理由のもう一つが「常にやったことないことをやりたいから」だったんです。Helixesのもつ「未知を追求する」という姿勢に共感した。最終面接で「5年、10年後の自分のビジョンは? どう考えていますか」って言われた時に、即答で「旅を続けていたいですね」って答えたんですよ。

鈴木 それはただのヤバいやつ(笑)。

松井 でも、(代表の)龍之介さんなんかは「はいはい」って聞いてましたけどね。同じく面接を担当してくれたCOOの八木さんも「実は今後、会社のテーマも『未知を追求する』に変えようと思っていて」って、じゃあちょうどいいなと(笑)。

よくよく考えると、Helixesって海外留学やバックパッカーの経験者が多いんです。旅にトラブルはつきものですよね。ないように準備はするけど、あったらあったでそれも楽しみながら行きたい。さきほどのリラックス感をひもとくと、そういうノリのことなのかもしれないなって。

鈴木 とくに今、HelixesではアニメやマンガなどIP領域の事業開発に力を入れていて、今年の6月には「PROPELLER」という、グッズ開発をいち早く行うサービスをローンチしたばかりです。これは、僕らで運営しているマンガのレビューサービス「comicspace」との親和性を考えた事業でもあります。自分たちにとって身近で挑戦したい領域に対して、自然な形でアプローチを広げている感覚です。好きなものを事業化したり、ビジネスにすることを楽しめることも大事ですが、今どういった領域が注目されていて、その背景にはどんな要因があるのか。そういった分析力や「嗅覚」も大事だと思います。

─maxillaには映像のイメージが強かったのですが、Helixesを設立してからは、より総合的なクリエイティブや戦略設計、事業開発の領域に踏み込んでいます。今求めているプロデューサーにもそういった視野が必要なんですね。

鈴木 そうですね。ただ忘れたくないのは、僕らのベースにはクリエイティブを作るmaxillaがあるということ。そこで生み出されるクリエイティブに信頼を寄せているし、maxillaに所属するディレクターやデザイナーといったメンバーとの信頼関係があるからこそ、プロデューサーは攻めた姿勢で提案できるわけです。「僕らがどう身を振ったしても、きっといいものを作ってくれる」という安心感が、次のビジネスにつなげていけるポイントだと思う。

松井 提案時に「僕らが作れる」って言い切れるのは強いです。あと、maxillaのクリエイティブって、いわゆる音楽やファッションといったユースカルチャーと結び付けられがちですよね。最初は、このクリエイティブが通用する領域は限定的である可能性もあるのかなと思っていたんだけど、いわゆる大企業と言われる歴史あるクライアントにも伝わっていて。そういう、普遍的なものがあるんだなって、実際の案件を通してわかってきました。これから海外の大手のクライアントや、ビッグネームのアーティストの仕事にも臆さずチャレンジできそうだなって思います。

松井とディレクター松野が企画から携わったV6の映像作品「WANDERER」と、神谷がコンセプトアートディレクターを務めたメタバース「V-Land」。

鈴木 それで言うと、maxillaではなにをつくる上でも「感情に刺す」という標語があって。とにかく、誰に対しても説明が要らないクリエイティブを期待していますね。

松井 そのためには審美眼や美的感覚が必要だけど、社内で良いと思ったものをすぐ共有してる点はいいなと思う。相互作用で、メンバーのセンスが高まっていく感じがある。僕は「センス」って言葉がこの会社に似合うと思います。「かっこいいものを作っている」というより、各々のセンスを大切にしている。プロデューサーだって、仕事の運び方にしても、動き方にしても、もうその人のセンスでしかない部分がありますよね。それに頭で考えても、感情には刺せないし。

鈴木 感情に「刺そうとする」というより、自分たちも感動したい、感情を動かされたいっていうピュアさがあるかもしれないですね。楽しみながら自分たちが作りたい事業やクリエイティブをつくって、結果的に自分たちにもめちゃくちゃ刺さってる……!みたいな。そういう感覚をもっている人と、ぜひ一緒に仕事をしたいなと思います。

  • Speaker

    Seiya Suzuki
    Issei Matsui

  • Interview & Text

    Kentaro Okumura

  • Edit

    Mami Sonokawa
    Kohei Yagi

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