パソコン音楽クラブ、SIRUP、たまごっち……3名のメンバーが選ぶ、2023年上半期のHelixesワークス
2024.01.11
Helixes Inc.のメンバーやそのマインドについて発信していく「Helixes.log」。
今回は特別編として、2023年4月から10月にかけてHelixesの3名のメンバーが担当した案件から選出してご紹介します。
- 01.▼ Shimura (CEO) ▼
- 02.BANDAI - ”Original Tamagotchi” KV、MEQRI ”Tamagotchi Study Club”
- 03.▼ Yabuki (Creative Producer) ▼
- 04.パソコン音楽クラブ - "Day After Day feat. Mei Takahashi(LAUSBUB)" MV
- 05.TOOBOE - "天晴れ乾杯" MV
- 06.▼ Watanabe Masaki (Director) ▼
- 07.SIRUP - "BLUE BLUR" EP
- 08.VANS - "THIS IS OFF THE WALL" campaign
▼ Shimura (CEO) ▼
BANDAI – ”Original Tamagotchi” KV、MEQRI ”Tamagotchi Study Club”
志村 Original Tamagotchiの新しいキービジュアルを担当した案件です。たまごっちはバンダイが所有するオリジナルのIPで、これから展開される様々な施策の起点に、という意味合いも込められたお取り組みでした。キービジュアルの制作を発端に、Helixesの別事業であるアパレルブランド『MEQRI』とのコラボアイテム『Tamagotchi Study Club』にも結びつきました。
maxillaが手がけた仕事がHelixesの他の事業部へと接合されていった、という点は、自分たちの強みを発揮できているなと思います。これからも、挑戦的な取り組みをご一緒できればいいなと思います。
▼ Yabuki (Creative Producer) ▼
パソコン音楽クラブ – “Day After Day feat. Mei Takahashi(LAUSBUB)” MV
矢吹 変わり映えしない日々の連続を「回転」になぞらえたMVです。パソコン音楽クラブさんからのご要望はMVに加え、さまざまなコンセプトの楽曲が収録されたアルバムを一つにまとめたティーザー映像を作りたい、という2点でした。ティーザー映像の企画制作が始まったのはアルバムの制作中だったのですが、併走する中で彼らの「意識の流れ」のようなテーマ性が浮かびました。
そこで、各収録曲ごとに、さまざまな3DCGアーティストが映像を制作。それらをティーザーとして投稿していくことで、異なるクラスターへの認知にも成功しています。公開にあたっては、SNSなどを中心に縦型動画でインプレッションを取っていくマーケティング手法を取り入れました。
アルバムの構造を映像に落とし込みつつ、SNS上の数字としてもクライアントの要望を叶えることができたので、個人的にとても印象に残った仕事でした。こういったシンプルで力強い映像は今後も作っていきたいと思っています。
TOOBOE – “天晴れ乾杯” MV
矢吹 近年注目を集めるAIアニメーションを用いたMVです。
AIを活用したクリエイティブというと著作権に関する指摘がよくなされますが、このMVではそれらの問題を全てクリアしています。やり方としては実写やさまざまなアングルの設定画、その他データ設定を学習させて、書き出す。と、それだけなのですが、AIのアウトプットがなかなか予測できず、結構難航しましたね。アウトプットを完全にコントロールするには、キャラクター設定やありとあらゆるアングルの実写素材など、膨大なデータが必要なんです。AIアニメーションをしっかり作ろうとすると、専門のノウハウとか知識が必要なんだと痛感しました。
アニメ業界のレジェンドでもある大先輩たちから助言をいただきながら、人間が描画したアニメーションを混ぜ込んだり、『Serial experiments lain』といった伝説的作品のキャラを登場させることで、「日本アニメ史」的な背景を据えました。結果的にはすごく満足のいく、面白い作品ができたと思っています。
▼ Watanabe Masaki (Director) ▼
SIRUP – “BLUE BLUR” EP
渡邊 SIRUPさんのEP『BLUE BLUR』の一連のクリエイティブを担当しました。具体的には、EPのジャケット、アーティスト写真、ツアーの告知映像、ライブのオープニング映像、グッズなど。またSIRUPさんが出演したFUJI ROCK FESTIVAL ’23 の映像演出なども担当しています。EPとツアーは共通して『BLUE BLUR』と冠されており、統一感のあるクリエイティブを心がけています。
『BLUE BLUR』は文字通り「青」がテーマで、本人も自ら髪を青く染めていたりします。SIRUPさんという個人から広がっていくクリエイティビティ、というイメージからヒントを得て、ジャケットのビジュアルではアトリエのような世界観を構築していきました。アーティスト本人と関係性のある要素が周囲に散らばっていて、それらが全て青色になっています。プロップデザイナーの金子さんと議論を重ねながら決めていきました。
去年武道館で行われた公演「Roll & Bounce」では、巨大なスクリーンでVJ映像を流すことができてとてもいい経験になりました。ただ当日はライブの収録も担当していたため、中継車の中でカメラ映像越しでしかその様子を見られなかったんです。フジロックで、ようやく生で自分たちの映像がライブ中に流れる光景を見ることができて、すごくたぎりましたね。観客の盛り上がりも肌で感じることができ、映像の仕事をしていてよかったと思えた瞬間でした。
今回のようにツアーからジャケット、MVなど、一連のクリエイティブを手がけることはまだ日本のアーティストだと例が少ないと思います。アーティストとしっかりとコミュニケーションを取って、根幹からクリエイティブに携われるのはとても素敵な機会だと思っています。
VANS – “THIS IS OFF THE WALL” campaign
渡邊 VANSのグローバルキャンペーン「THIS IS OFF THE WALL」の日本でのローカライズにおいて、映像とビジュアルのデザイン、オフラインイベント周りのビジュアルディレクションなどを行いました。
“これがジブンのやり方”というキーメッセージにあわせて、スケートカルチャーと関わりが深い野村周平さん、プロスケーターの前田さん、守重さん、モデル/歌手のJIJIさんを起用しています。ローンチを祝して原宿のUNKNOWN HARAJUKUで開催されたイベントでは、VANSと関係性の深いアーティストの方々をキュレーションしてアートワークを発表していただきました。
ファッション領域の案件で大きなキャンペーンに関われたこと、そして何よりもmaxillaのメンバーがみんな大好きなVANSの仕事に関われたことが印象的で選出しました。クリエイティブの面でも空間演出や紙媒体、映像などさまざまな領域をまたいでいて、これまでmaxillaが積み上げてきた経験値を活かして、挑戦できた部分が大きかったかなと思います。
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Speaker
Tsuyoshi Yabuki
Masaki Watanabe
Ryunosuke Shimura -
Interview & Text
Kentaro Okumura
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Edit
Kohei Yagi
Hanako Yamaura
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