Helixesが「クリエイティブ・プロデューサー」に求めること
2023.04.28
Helixes Inc.のメンバーやそのマインドについて発信していく「Helixes.log」。
今回はHelixesのクリエイティブエージェンシーである、maxilla事業部のプロデューサーグループに所属する2人に、「クリエイティブ・プロデューサー」について語ってもらいました。映像・広告業界が持つ「プロデューサー」という枠組みをどんどん超える人材であってほしい、ということで名付けられたこのポジション。その背景にある思いや、求める人物像について聞きました。
クリエイティブへの理解力の高いプロデューサー
─クリエイティブプロデューサーの仕事や、求める人物像について話を聞いていきます。まずは自己紹介として、お2人がHelixesに入った経緯を教えてください。
松井 もともとは映画の大学院で監督を専攻していました。20代のときは映画の現場で制作部や助監督をして現場の作り方を学び、30歳のときに就職した広告代理店ではプランナーやクリエイティブディレクターを、その次のプロモーション会社で映像プロデューサーを経験し、Helixesに入ったという流れですね。現在はプロデューサーグループのマネージャーを務めています。
いわゆる広告映像プロダクションに所属して制作やPMを経験しておらず、制作進行に重きを置いたプロデュースというより、企画に重きを置いたプロデュースが得意になったかなと思っています。
鈴木 僕は新卒で広告の音楽制作会社に入社して、音楽プロデューサーのアシスタントからキャリアをスタートしました。その後、1人立ちして音楽プロデューサーとして、広告をメインに短編映像や映画などの案件を経験しました。そうして1年ほどした頃でしょうか、この先のキャリアについて考えていたときにタイミングよく当時のmaxillaに声をかけてもらい、転職したんです。
映像制作に関わったのは入社してから。知識ゼロから現場での経験を重ねるうちに、映像と音楽の両軸でプロデュースできるようになっていた、という感じです。今はmaxilla事業部の事業部長という肩書きで、全体をまとめる役割も担っています。
─Helixesにとっての「クリエイティブプロデューサー」とはどういった役割を担うのでしょうか?
松井 あくまで個人的な観点ですが、広告業界や映像業界でプロデューサーというと「制作進行を担う」という側面が強いように感じています。基本的には「制作の進行統括」として位置づけられていて、クリエイティブ以外の部分、例えば予算やスケジュール、スタッフィングでの判断を求められることが多い。そうした役割はもちろんすごく大事なんですけど、maxillaのプロデューサーにはクリエイティブについても考えてもらいたいし、ディレクターと揃った視点で制作物を作れるようになってほしいと思っています。すべてのクリエイティブに目を通し、クオリティの管理も行うリーダーのような位置づけです。そういう思いがあって、この役職名にしました。
─業界で言われるプロデューサーよりも、より能動的な印象ですね。
松井 そうですね。プロデューサーのあり方にももっと幅があるというか、千差万別あっていいはず。クリエイティブプロデューサーという枠にとらわれず、たとえばプランナーとしての企画制作など、新たな領域にもチャレンジできる環境だと思います。
大胆不敵かつカルチャーへの熱意を持つ人
─このポジションを設けた背景を教えてください。
鈴木 maxillaはもともと映像制作の印象が強い組織でした。ただ、ずっと映像の受託制作一本でやっていくのかというと、そうではないよねという話も重ねてきていて。クライアントに寄り添って、プロモーション全般の企画や制作など、幅広い領域で仕事をしていきたいと考えてきました。
そのためには、クライアントの課題を抽出して、要件整理を行い、しっかりアウトプットまで繋げる必要があります。maxillaのプロデューサーはそうしたスキルを磨いてきたし、実際に広い領域の案件を担当することも増えてきたので、同じような志向を持つプロデューサーを育てていきたいと考え、このポジションを設けました。
─求める人物像について教えてください。
松井 まず第一には外交的な人がいいですね。お客さんと対面し、協力して企画を進めるためには、関わる人たちを導くような力が必要になってきます。ディレクターの場合は内向的な性格でもアウトプットの質やクリエイティビティで戦えると思いますが、プロデューサーは作るのではなく企てる人なので、外交的で折衝能力が高い人が望ましいです。
あとは、大胆さでしょうか。スケールの大きな発想で、一か八かで仕事を取ってくるような。そうした大胆不敵さがあったほうが、このポジションにはいいのかもしれないですね。もちろん、実現するためのロジカルシンキングも必要なんですけど。
鈴木 音楽、アニメ、漫画、ゲームみたいな、僕らが強みとするメディアのIPの領域を全般的に語れる人ですね。例えば特定のジャンルの音楽にめちゃくちゃ長けていて、他の領域への関心が低い人よりかは、全体的にいろんなコンテンツに興味があって、かつそれらへの理解度や興味が一般レベルではない人(笑)。すごく平たく言うとカルチャーそのものが好きで、熱く語れる人がいいなと思います。
─入社後はどのような目標を持って、チームに入るのでしょうか。
松井 入社後すぐに会社の全てを理解して動き出せるとは思っていないので、最初は既存顧客の拡大といった仕事から入ってもらうことになります。そこから、我々の強みを実感していただきつつ、不足しているところは一緒に課題を抽出していき、自分の強みをどんどん発揮していってもらえたらと考えています。
強みを発揮してもらう、というのはすごくミソで、maxillaで働く中で、自分の強みや弱みを実感するのは容易くはないと思うんです。業界経験者だとなおさらで、過去の仕事に引っ張られてしまって自身を俯瞰的に見づらいというか。そういう既存の枠にとらわれていると、maxillaの中では活躍しづらいかもしれない。だから、柔軟に、枠にとらわれずに、新しい可能性を見つけてほしいと思っています。やっぱり、ちょっと普通じゃないところがmaxillaにはあるので。
─普通じゃないとは?
松井 コンテンツやカルチャーが好きな人はたくさんいるし、深堀りしている人もたくさんいますが、それを仕事に繋げられる人はそこまで多くないと思うんです。プロダクションや広告代理店でプロデューサー業をしていると、どうしても企画が決まった案件の制作進行をするという、受注仕事的な発想で固まってしまうことがありました。maxillaではそういう頭の使い方というよりも、企画書から作って、個人のセンスや知識で勝負していく、そういうクリエイティビティを求めていきたいです。既存の枠組みにとらわれて「○○という肩書きだからこの仕事だけをしていればいい」と範囲を絞ってしまう人だと難しいかなと思います。
鈴木 そうですね。maxillaには、社内にプロデューサーやディレクターなど多岐にわたるスキルを持った人がいます。そういう意味で、純粋な映像プロダクションでもないし、広告制作会社でもない。よくも悪くも業界的な筋がない、自由度の高い仕事に挑戦することが多いんです。そういう枠にとらわれない仕事に興味があれば、どんどん成長できるんじゃないかな、と。
現実的なところで言うと、プロデューサーには当然営業目標が与えられます。その中で、松井も言うように、maxillaの強みと自分の強みをかけ合わせて仕事を生み出してほしいですね。ただ、だからといって電話やメールで営業を、ということではありません。そうではなく、うちの持つネットワークを理解して、自分が持つネットワークや強みと掛け合わせて仕事を生み出していく。そういうマインドセットで営業をとらえてほしいです。
あとは、クリエイティブにしっかり落とし込むことも求めています。企画だけ考えて終わりではなく、ディレクターと協働しながらしっかりクリエイティブにもコミットしていってほしいですね。
─目標に対して努力しても、達成できないときもありますよね。そうしたときのフォローアップについてはどのように考えていますか?
松井 そういう場合は単純に「もっと営業してよ」と投げるのではなく、そもそもの戦略を分析し直すところから一緒に考えていきます。再考する中で、より強みを活かした新しい戦略が生まれる可能性だってあります。別のクライアントに繋げてみたら、何か突破口があるんじゃないか、とか。そうした対話を営業チームを交えて行うようにしています。
経験値よりも伸びしろを
─どんな課題感を持つ人に来てほしいという考えはありますか?
鈴木 もっと裁量を持って仕事したいという人にはと思います。営業戦略に沿っていれば、基本的には広い裁量で仕事を進められます。会社から言われたことをやるのではなく、自分からやりたい仕事、それが好きなIPでも全然よくて、ライブやイベントまでプロモーション全般をやりたいという熱意を持っている。だけど、今の環境だと裁量がなさすぎる……というような人ですね。経験上、Helixesほど裁量をもって仕事できる会社も少ないんじゃないかな。
─伺ったところ、キャリアを重ねた方でないと難しいのではと感じましたが……。
鈴木 いえ、若くても全然大丈夫です。必須条件などはありますが、過去に大きな案件に携わっていないといけない、ということはありません。
逆に、過去に大きな規模の案件をいくつも担当していたようなベテランのプロデューサーでも、枠を超えるという意気込みや、コンテンツIPやカルチャーへの興味関心がないと、難しいですね。どれだけ枠を超えてくれそうか、そしてコンテンツIPやカルチャーに熱意があるか。そういったところの伸びしろを見ながら、これから共に働く人を見つけられるといいかな、と思っています。
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Speaker
Seiya Suzuki
Issei Matsui -
Interview & Text
Kentaro Okumura
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Edit
Rise Haneda
Kohei Yagi
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