「クリエイティブ×ビジネス」を加速させる組織づくり──新職種の導入と二部制への移行の背景
2023.11.06
Helixes Inc.のメンバーやそのマインドについて発信していく「Helixes.log」。
Helixesでは2023年7月から、組織体制を変更し、クリエイティブプロデューサーという名称の職種を新設。プロデューサー、ディレクターの二部制へと移行しました。営業機能を主に担っていたエージェンシーグループを解体し、制作を担うプロデューサーと統合させることで、「営業力とクリエイティブを強化し、組織と個人の成長を目指す」ことを目的としています。今回の二部制の導入の経緯とこれからの組織の成長イメージについて、鈴木と八木が話します。
より強固な組織であるために
─エージェンシーグループを廃止し、プロデューサーグループ、ディレクターグループの二部制となりましたが、この経緯を教えてください。
鈴木 この話自体は、2022年の秋ごろに出てきたと思います。ちょうど組織体制にも大きな変化が起きているタイミングで。二部制を考え始めたのは、社内のマネジメント力と、営業力を強化するという大きく2つの目的があります。総合広告代理店やPRを主軸とする企業などでは、営業機能とプロダクション機能が分かれていることが多いです。バリューチェーンで言えば、構造的に分断されています。そんな中、Helixesではプロモーションの上流から下流まで、一気通貫で手がけられることを強みとしてきました。ただ、社員の人数が増えて部署や役職がグループ化されていくにつれて、営業サイドとプロダクションサイドに距離感が生まれている懸念があったんです。
─距離感が生まれると、一気通貫の制作が実行しづらくなるということでしょうか。
鈴木 そうですね。エージェンシーグループにもともとあったアカウント職には営業として入社した人が多いのですが、制作の経験値や知見が必ずしも多くあるわけではないので、先方の要件に対して、予算的、技術的、スケジュール的な視点でどの程度の現実性があるのか、その場では判断するのは難しいことが多い。そこにはやはり、制作の場数が必要です。
一方で、maxillaに初期から所属するメンバーや、大手プロダクションから中途で入ってきたプロデューサーなどは、場数を踏んでいる分、制作視点での判断がすぐに行なえますが、ビジネスの視点や営業経験が足りていない。こうした互いの役職の不足部分を相互に補おうとした場合、別のグループでは難しいなと感じていました。
同じグループで働くことで、アカウントだった人は制作について実践ベースで経験を積みながら実績も作っていく。プロデューサーは総合的なキャンペーンを受注していくときに、どこで、誰に、どういった方法でアプローチをしていくかという営業活動の経験値を積んでいく。そうやって、お互いが知見を共有しあいながら学んでもらうべく、二部制の導入を決めました。
─職種の名称も変更されました。
鈴木 アカウントプロデューサーやプロデューサーと呼ばれていた人たちを、「クリエイティブプロデューサー」という名前に一括で変えました。クリエイティブプロデューサーはクライアントとの窓口を務めつつ、要件整理、企画提案、進行管理といったプロジェクトに関わる一連の流れを取り仕切るリーダーであり、制作物一つひとつのクオリティ管理にも責任を持つことになります。必ずしも直接手を動かすわけではありませんが、自分がどういうコンセプトで企画を考えたのかから紐解いて、最終的な制作物が最適かどうかを判断します。
─これまで制作物のクオリティコントロールに長けているわけではなかったプロデューサーも、スキルの向上が求められますね。
鈴木 maxillaの特徴として、クライアントからはプロモーションのプランニングから実際の制作、そしてそれをどう届けるかの設計までの全体を評価いただいている部分がありますが、やはりアウトプットの質を重視している方も多い。質にも責任を持てる人を育てていくことでクライアントと強固な関係を構築し、自分たちの価値を最大化したい。そんな思いがあります。
変化が続く限り、議論は続く
─制作と営業、双方の知見をお互いに学び合うという話がありましたが、具体的にどう実現していくのでしょうか?
鈴木 各案件ごとに、営業に強い人、制作に強い人のクリエイティブプロデューサー同士でペアになってもらっています。必ずしも100%ではないですが、そういうチーム編成になるよう念頭に組成しています。より制作業務の過程と結果にコミットしてもらう狙いです。
─なるほど。業界の変化を見ながら、組織体制も変化させ、チームをマネジメントすることにおいて、どの点に難しさを感じますか。
八木 そもそも、組織運営において全ての要素の足並みを揃えることは不可能だと思っています。結局のところ、やっていかなきゃいけないことというのは、この組織にとっての最善は何かを一つひとつ考え、そこにコミットして修正したり改善していくことでしかないと。Helixes全体としても、引き受ける仕事の内容や規模感の変化やメンバーの増減などに伴って、常に組織体制も変化していかないといけません。何か一つの軸に全員が合わせるのではなく、社員の総和である組織の形を変えていくことで一人ひとりがどう変わるかを考えていきたいです。
─常に暫定的であって、変わり続けるわけですね。
八木 そうですね。逆に、常に同じ形を維持するほうが難しいのではないでしょうか。だから常に考え続けて、議論し続けることが大切だと思っています。実際この二部制の導入も、1年以上かかっています。その間、どのような段取りを導入するのか、あるいは別の対策を打つかという話も当然出てきました。ただ、検討する過程で何度かシミュレーションをしたり、ヒアリングを行っているので、闇雲に変えているわけでもありません。こうした体制変更は、今回の結果を見ながら今後も続けていくと思います。
1年後の組織と個人の成長に期待
─二部制の導入によって、どのような点が挑戦となりそうでしょうか。
鈴木 今回の変更による狙いが、どのくらいのスピード感で実現できるかは挑戦になるかと思います。そのためにも、まずは採用ですね。今は制作サイドに強い方が多いので、営業に強みを持った方を増やして、ペアを組めるようにしないといけない。採用を強化し、スピード感をもって相互に学び合うような体制を作っていきたいですね。
─最後に、二部制になることでの、組織への期待を教えてください。
鈴木 平たく聞こえるかも知れませんが、一体感のある、チームワークのより取れた組織になればいいと思います。1人で仕事をすることは少ないですし。チームを組んで、お互いの強みを活かし、弱みを補いつつ、基礎体力をつけてレベルアップしていく。その結果、来年どういう組織になっているか、どういうプロジェクトやアウトプットが生まれているかは、楽しみなところです。
八木 一番の期待は個人としての成長、それによる組織としての成長です。「クリエイティブプロデューサー」と聞くと大仰かもしれませんが、こうした枠組みがあることで、一人ひとりの目線が上がり、学んだことをシェアしあって、さらにまた成長が促されるはずです。つまるところ、そうした積み重ねが「組織の成長」なのだと思います。
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Speaker
Kohei Yagi
Seiya Suzuki -
Interview & Text
Kentaro Okumura
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Edit
Kohei Yagi
Kanako Himeno
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