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社員インタビュー「答えはカルチャーの中に。文脈への造詣が可能にする、“感情”を軸にした戦略設計」

2021.02.12

Helixes Inc.のメンバーやそのマインドについて発信していく「Helixes.log」。

今回は、これまで数々の作品やブランドの戦略立案・企画プロデュースを担ってきた、Helixesのエージェンシーチームにフォーカスしました。

エージェンシーチームの強みは、作品の文脈を理解し、カルチャーにフィットしたクリエイティブや事業戦略の構築。感情に深く刺さる成果物は、いかにして生みだされてきたのか。
その仕組みを、代表取締役の志村、アカウントプランナーの平嶋と後藤、プロジェクトマネージャーの吉武と梶野、アートディレクターの梅田の6名に聞きました。

数字ではなく人が「何に感動するか」からスタートする戦略設計

ーまずは、Helixesのエージェンシーチームの役割を教えてください。

志村 Helixesのクリエイティブ事業部であるmaxillaはこれまで「プロダクション」として成長してきましたが、市場や組織としての展望を考えると、今後もプロダクションだけで規模を拡大するのは難しい。成果物単体で関わるのではなく、ブランドに対して長期的に物語を紡ぐ「ブランドビルディング」を担う必要があると考えていました。そこで、事業ひいてはマーケティング戦略立案支援、またそちらに対する営業を担うエージェンシーチームを作りました。

ーエージェンシーチームの具体的なお仕事の内容と、Helixesならではの特徴があれば教えてください。

平嶋 大きく定義すると、新規案件の開拓と、現在お仕事をさせていただいているクライアントとのプロジェクトのリードです。一般的に「営業」と聞くと「お仕事を取ってくる」というイメージがあると思いますが、Helixesではそれだけではなく、クライアントの事業の全体設計、効果的な戦術立案やブランディングの構築まで含まれます。社内のプロダクションチームと連携してプランニングやクリエイティブの領域にも関わりつつ、クライアントとダイレクトに物事を進めて行くので、かなりダイナミックな職種ですね。通常のエージェンシーに比べると、思考のスピードもクリエイティブの開発のスピードもすごく速いです。

梶野 プロダクションチームとの距離感が物理的にも心理的にもすごく近いので、クライアントの意向を正確にプロダクションチームに共有することが出来ています。リソースの状況も常に共有しあっているので、制作に対するチーム組成やスケジュール策定もスムーズに行えていますね。

吉武 僕が入社して思ったのは、クリエイティブに由来して案件が広がっていくパターンがすごく多いということ。資料を携えた営業から始まるというよりも、Helixesが今まで培ってきたクリエイティブベースでの引き合いが多いなと思います。

平嶋 たしかに、それは強みですね。面白い形の営業になったという意味でよく覚えているのは、あるアニメ作品の広告・制作案件をお仕事させて頂いたときのこと。作品の理解度や表現を他の会社様からも認めていただき、そこから多種多様なお仕事に繋がったことがあったんです。いくつかの作品で、ファンの人たちが心から感動してくれたり、原作者の方からの評価もいただけた。単純な広告としての良さだけでなく、作品の文脈を理解し、カルチャーにフィットしたクリエイティブや事業戦略を作れるから、インプレッション・エンゲージメント等の数字中心の広告だけではなく、ファンのロイヤリティにもつながる結果が出ていると感じています。

志村 僕たちはもともと作り手側からスタートしているので、作品の勘所が分かるんだと思います。作り手やクリエイターを一番に置きながら、広告や事業の戦略を考えていくというところが評価につながって、新しいお仕事が舞い込んでくる。それがHelixesならではの営業結果になっているのかなと。

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平嶋 そうですね。戦略を考えるときも同様です。マーケティング的な考え方ももちろん重要ですが、一番大事にしているのはHelixesならではの考え方。個人的には常に「カルチャーの中に答えがある」と思っています。通常、制作物は「上流」から考えて作りますが、Helixesの場合は逆で、カルチャーの中からのフィードバックも合わせて考えていく。日々、Slackなどのツールで日本のTwitterのバズから海外で流行している話題など、様々な情報を共有していて、そこから提案が浮かぶこともよくあります。

どんなクリエイティブを良いと感じるかはその商材やコミュニティによって千差万別。なので、事業戦略を考えるとき、僕たちはカルチャーコミュニティーに入って、彼らが一体「何に感動するのか」を調べていきます。大切にすべきは、お客さんの感情です。まずその分析があって、そのあとに戦術やビジネススキームの構築、事業戦略の設計へと拡大して考えていく。これは他のエージェンシーさんからはあまり出てこない強みではないかと思っています。

ブランドメッセージや「感情」に寄り添う

ー最近のお仕事の事例があれば教えていただけますか?

後藤 2020年秋に、音楽サブスクリプションサービスの〈Amazon Music Japan〉が、Twitch内の公式チャンネル配信をローンチしました。Helixesでは、このチャンネルのコンテンツの企画・制作・配信を、立ち上げから担当しています。日本だとTwitchはゲーム実況の配信サイトとしてよく知られているかと思いますが、アメリカではアーティストのライブパフォーマンスの生配信も視聴できたり、ファンとアーティストのインタラクティブなコミュニケーションの場としてもすでに盛んに活用されています。

Amazon Music Japanは、日本でもこのような新たな音楽体験を提供することで、日本の音楽市場を盛り上げていこうとしているのですが、この業界には競合が多い。そこでどんなブランディングをすべきかという課題があり、音楽やユースカルチャーに造詣が深いということでHelixesにご相談いただきました。

立ち上げという大切なタイミングでしたので、何を叶えるために、なぜその形でやるのか、などディスカッションをタイムリーに重ね、彼らの目指すことをチームで具現化していきました。このようなダイナミックなプロジェクトに参加し、素晴らしい景色を共有できることは、私たちにとってやりがいのあることであり、名誉なことだと感じています。

Amazon Music Japan channel on Twitch

Helixesに入ってから、より強く意識しているのは、クライアントの夢を叶えるだけでなく共に描くんだということ。まずはその夢=ビジョンがあり、そこから分解して現時点での目標設定をどうするかを考えて設計していくようにしています。

平嶋 分解というところでいうと、クライアントが求めているビジョンを汲み取る機会は多いですね。一緒に語り合った夢をどう落とし込むか、という作業が必要です。プロジェクトマネージャーと一緒にリサーチを行って事例や数値を出して、それをアートディレクターの梅田が感情に訴え掛ける提案資料へとデザインしていく、という流れです。

ーエージェンシー内にアートディレクターを配置しているんですね。

志村 プロダクションよりもクライアントに近い部署としてエージェンシーチームを配置していて、梅田には戦略をクライアントと握るフェーズで必要な提案資料や、グラフィックなどのクリエイティブを作ってもらっています。厳格に部署を切り分けているわけではないのですが、エージェンシーとプロダクションが社内で完結しているのはうちの強みですね。

ー梅田さんが資料をデザインする際にはどんなことを意識していますか?

梅田 感情が伝わるような「エモい資料」を作るよう心がけています。クライアントがアイデアを思いついた時に灯った小さな炎を、消さずにしっかりお客さんまで届けたい。特に今はコロナ禍でなかなか対面しづらく、直接会って喋り方や表情で資料のトーンがフォローできないことも多いですから、感情を乗せて伝達するデザインを意識することがより重要になってきています。

平嶋 僕たちはただ数値を追いかけるのではなく「ブランドやプロダクトが大切にしたいメッセージや感情を正しく伝えつつ、数値目標を達成するために何をするか」という考え方で提案を組み立てます。そのため、梅田のアートディレクションにおいても、クライアントの「感情」にいかに訴え掛けるか、を心掛けてもらっています。ブランドメッセージを大事にしているというところは弊社の特徴ですし、資料の段階から一緒に歩めるアートディレクターが社内に居ることは大きいですね。

ー今後の展望を教えてください。

志村 広告制作はもちろん続けていきますが、クライアントが事業開発をしていく上でコンテンツマーケティングが必要だったり、そもそもその事業がコンテンツを作る必要があったりするクライアントとどんどんやっていきたいと思っています。

後藤 個人的にはそういった広告制作をご一緒する中で、そのブランドのガイドラインを弊社で制作・提案し、実際に活用いただけるような事例や動きをもっと取っていきたいと思っています。簡単な話ではありませんが、「ブランドを育てることが企業のメリットになる」という認識を一緒に作っていきたいですね。

ーエージェンシーチームの人材としてどんな方に来てほしいですか?

志村 きっとHelixesの営業は一般的な広告業界における営業の概念からは逸脱していると思うんです。今は業界にとっても変化の時期で、1つの会社の中にどれだけの機能を持てるか、そして特定の領域にどう特化するか、という動きがより活発になっています。だからこそクリエイティブに熱く、同時にビジネスも理解し、ブランドを作っていける力をもった人がチームにもっと増えると嬉しいですね。

  • Interview & Text

    Kentaro Okumura

  • Edit

    Mami Sonokawa
    Kohei Yagi

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