Helixes log

OPEN

アイデアと創作は、仕事の枠を越えて広がり続ける──maxillaデザイナー 郡司章 × ディレクター Charles Chung

2026.09.18

Helixes Inc.のメンバーやそのマインドについて発信していく「Helixes.log」。
今回は、maxillaでディレクターを務める郡司章さんとCharles Chungさんの対談です。2人は専門学校の同級生で、卒業後もそれぞれ働きながら一緒にものづくりを続け、いまはそれぞれmaxillaのデザイナー、ディレクターとして別々の案件を担当しています。出会いから今に至るまで、2人が仕事の内と外でどう作り続けてきたのかを聞きました。

─ お2人が知り合ったのは、グラフィックデザインの専門学校だったそうですね。

チャールズ そうですね。クラスは違いましたが、授業によっては一緒になることがありました。僕は美大にいた頃、学生同士で1、2カ月に1回くらい展示をしていて、それがすごく楽しかったんです。だから専門学校に入ってからもやりたいと思って、もう一人の知り合いと参加する人を探していました。その中で郡司と仲良くなった感じですね。

郡司 展示がきっかけだったんだっけ?

チャールズ たぶんそう(笑)。

郡司 共通の友達から、展示をやっている人がいると聞いて紹介してもらったんだと思います。それで一緒に展示をするようになって、仲良くなりました。

─ 卒業後も関係は続いていたんですか。

チャールズ 卒業してからも仲が良くて、僕が個人で取り組んでいた自主制作を手伝ってもらったりしていました。飲み仲間でもあって、お互いの仕事の環境や悩みを話すような関係でしたね。

郡司 当時は仕事も忙しくて、毎日働くだけでも精いっぱいだったんですけど、たまに新宿の珈琲貴族(※珈琲貴族エジンバラ)に集まって、やりたいことを話したり、それぞれ作業したりしていました。

チャールズ 僕ら以外にもう2人いて、4人でよく集まっていました。それぞれ作っているものを見せたり、一緒に作業したりして。飲みに行くとだんだん話が熱くなって、デザインやアート、音楽の話をずっとしていました。毎回、似たような話をしていた気もします(笑)。

当時の写真

ファンアートが社内で話題に

─ お2人がHelixesに入社した経緯を聞かせてください。

チャールズ 僕は当時の職場を辞めようとしていて、その少し前にmaxillaが手がけたadidasの広告を見て応募しました。うまくいかなければ、また探すしかないという気持ちでした。

郡司 僕は当時、maxillaが手がけていたVERSEⁿというVTuberプロジェクトが好きで、ファンとしてSDキャラのイラストや漫画を描いてXに投稿していたんです。それが社内の人の目に留まったみたいで。

チャールズ VERSEⁿの社内ミーティングで、「この人、すごくファンアートを描いてるね」って話題になったんです。それで僕が「実はすごく仲のいい友達です」と話して。その流れで、社内から郡司に声がかかるようになりました。

郡司 最初は、配信前のオープニング映像やサムネイル用の素材などを少しずつ作らせてもらっていました。そのうちに「今どんな仕事をしているの」と聞かれて、そのまま入社の話につながっていった感じですね。

チャールズ 入社すると知ったときはかなりうれしかったですね。ただ、僕から積極的に誘ったわけではないんです。友達を誘うのは、けっこう重たいことだと思っていて。そのタイミングで本人がそうしたいとは限らないので。本人が入りたいのであれば、もちろんいいと思っていました。実際に入ると知ったときは、かなりうれしかったですね。

─ 入社後は、昔のように2人で一緒に作る機会も増えたのでしょうか。

チャールズ むしろ、ほとんど一緒に仕事をしていないんです。最初の頃にVERSEⁿの短い映像を一緒に作ったくらいで、それ以降はそれぞれ別の案件を担当しています。

ただ、その映像は今でもかなり印象に残っています。制作期間があまりない中でも、僕らはそれまでにも一緒にものを作ってきたので、すごく進めやすかった。自然にチームワークのようなものが生まれていました。

郡司 今はお互いにディレクションまで担当することが多いので、2人で同じ案件に入ることはあまりないです。

チャールズ 郡司に作っているものについて意見を聞くことはあります。「これ、どう思う?」と。

─ どんなときに郡司さんの意見を聞くんですか。

チャールズ 色々ありますが、少し前にはロゴの提案について、出来やストーリーテリングの部分で意見を聞きました。ずっと同じものを見ていると、だんだん良いかどうか分からなくなるタイミングがあるんです。郡司は結構ロジカルに答えてくれるので。

─ ロジカルなんですね。郡司さん自身は、制作するときに直感とロジックをどう使い分けていますか。

郡司 直感を活かした方がいい場面と、ロジックを立てた方がいい場面がそれぞれあります。誰かと共同作業をするときは、意見にロジックがないと相手に伝わらず、ただの感想みたいになってしまいます。一方で、自分が資料を見て「いいな」「かっこいいな」「やってみたいな」と思うところは、かなり直感を重視しています。直感で引き入れたものを言語化して、人に伝えるときに精緻化する。そのバランスは意識しているのかもしれないです。

─ チャールズさんは、どのようにアイデアを形にしていくのでしょうか。

チャールズ 僕はどちらかというと直感的です。企画や映像を作るときも、最初に「これがかっこいい」「こういうふうに作ってみたい」と考えて、その後に理由をつけることが多いですね。誰かにお願いして、自分が想像していたものと違うものが上がってきても、そちらの方が面白ければ、そっちを選びたくなるんです。それから、どういう理由でそこにたどり着いたのかを自分なりに考えます。

郡司 チャールズは昔から、どちらかというとパッションの人ですね。

チャールズ そうですね。好きで作っていると、かなり一生懸命になるんですけど、ずっと見ているうちに分からなくなってくる。それで最終的に郡司に見てもらうっていう(笑)。

─ 逆に、郡司さんからチャールズさんに意見を聞くこともありますか。

郡司 あります。ただ、僕が聞くのは、どちらかというと感想ですね。構成や企画について細かくフィードバックをもらうというより、「初めて見てどう感じる?」ということを聞く。一目見た瞬間にかっこいいかどうか、みたいなところです。

アイデアは熱いうちに形にする

─ 仕事とは別に、お2人で制作することも続けているんですか。

郡司 続けています。基本にあるのは、スキルアップの機会を増やすために、仕事の外でも何かを作るということです。たとえば、みんなでTシャツを作って交換する会を開いていました。ポスターだと置き場所に困るかもしれないけれど、Tシャツなら人に渡すこともできる。それがいいなと。

チャールズ Tシャツは媒体としてもいいんですよね。交換できるし、印刷も極端に高いわけではない。案件でカタログなどを作ると、いろいろなルールがありますが、Tシャツなら比較的自由です。意外と凝りすぎていないデザインの方がかっこよかったりもするので、普段デザインをする人もしない人も楽しめると思います。

─ 忙しい中でも、なぜ仕事とは別に作る時間を持っているのでしょうか。

郡司 仕事で作れる範囲と、仕事ではないところで作れる範囲は全然違うので、たまにはその範囲を広く取った方がいいと思っています。……と言ってみたけど、結局、昔カフェに集まっていた頃と同じなんじゃないかな。仕事だけでは消化しきれないアイデアがお互いにあるんだと思います。

チャールズ そうですね。自分の中にもまだまだ作ってみたいものがたくさんあって、それをモチベーションがある間になるべく形にしておきたい。とりあえず作ってみる、という意識は2人ともあると思います。

作ることから、人と作ることへ

─ 郡司さんは以前「絵を作ることだけがデザイナーの仕事だと思っていた」と話していました。今はどう考えていますか。

郡司 以前は、見た目の良し悪しに直結するのは、手を動かすことだけだと思っていました。でも、実写ならカメラマンとの関係性が撮れ高に影響しますし、イラストレーターやデザイナーと仕事をするときも同じです。人との関係を作ることや、適切な指示、コミュニケーションが取れるかどうかが完成度に影響する。それが実感として分かってきました。

最近はチームのリーダーとしての役割で仕事をすることも増えて、責任が重くなったと感じています。間違った指示をしてしまうと、その分だけロスが大きくなる。適切なタイミングで適切な指示を出すのは難しくて、都度状況を読むしかありません。

─ チャールズさん自身も、仕事の進め方に変化はありましたか。

チャールズ クライアントとのコミュニケーションは、自分なりに成長したと思います。もともとロジカルに考えることには苦手意識があるんですが、その分、アイデアを段階を追って、簡潔に伝える説明の型を、自分なりに用意しておくようになりました。

今取り組んでいる案件は自分がずっと大好きだった作品に関わるものが多く、今までで一番楽しく仕事をしている感覚すらあって。だからこそ「ここで情熱を持たなくてどうするんだ…?」という気持ちです。

─ 最後に、これから2人でやってみたいことはありますか。

郡司 最近、個人的にゲームを作っているんです。ホラーテイストなんですけど、ずっと見ていると自分では怖いかどうか分からなくなってきて。面白いかどうかも含めて、どこかでチャールズに見てもらいたいですね。

チャールズ やろうやろう。僕はもっとシンプルかも。昔、友達と車でアメリカを横断したことがあるんですけど、それを郡司とヨーロッパでやってみたいかな。絶対楽しいと思う。

郡司 横断か〜…俺はベルリンで下車するわ(笑)。

チャールズ もっと遠くまで行こうよ(笑)。具体的には何も考えてないけど、ヨーロッパを横断しましょう。

郡司 ヨーロッパだったら全然行く。

チャールズ じゃあ、どこかで2人で旅行に行こう。

  • Speaker

    Akira Gunji
    Charles Chung

  • Interview & Text

    Kentaro Okumura  
     

  • Edit

    Kohei Yagi
    Riko Nakagawa  
     

  • Photo

    AVO

Helixesへのお問い合わせはこちら Contact