Helixes log

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肩書きを超え、横断的に挑戦する──イベント・展示ディレクションの現場から

2026.04.24

Helixes Inc.のメンバーやそのマインドについて発信していく「Helixes.log」。
今回は弊社メンバーの髙見・チャールズ・新津の3人に、日々様々なアウトプットを行う中で、「展示・イベント」という形でクリエイティブに携わった案件にフォーカスして話を伺いました。
それぞれが担当した案件について深掘りをする中で、横断的にモノ作りを行う環境の中で見える弊社ならではの共通項や、求めている人物像について是非ご覧ください。

ALGS Year5 Championship INZONE Booth

担当:髙見(プロデューサー / ステージディレクター)

─ このプロジェクトの概要と、髙見さんの役割を教えてください。

ソニーのゲーミングギアブランド「INZONE」のブース出展を、maxillaとしてプロデュースしました。舞台はAPEX LEGENDSの世界大会「ALGS」──年間3回開催される大会の集大成となる回です。会場内のファンゾーンエリアには、スポンサーや出場チームが物販やブース出展を行うエリアがあって、INZONEさんもそこに出展されました。ブースのデザインから台本制作、ノベルティデザインまで、全体をまるごとお任せいただきました。

2年連続で担当しているプロジェクトで、1年目はステージディレクターが主な役割でした。もともとAPEX LEGENDSの大ファンだったこと、また前職での映像ディレクター経験もあったことから、プロデューサーという立場ではありましたが、自分から手を挙げてステージディレクターを担当しました。2年目はステージディレクションだけではなく、ブースデザインを含めたクリエイティブディレクターとして、プロデューサーを兼任しつつ、プロジェクト全体をまとめる役割を担当しました。

─ この仕事において「maxillaだからできた」と感じたポイントはどこでしたか。

1年目で驚いたのは、社内メンバーの守備範囲の広さでした。映像のディレクションもブースのパース制作も同じ人間がこなしていて、しかもそのスピードが非常に速い。入社直後にこの案件に入った自分には、本当に衝撃でした。その経験があったからこそ、2年目は自分でもその部分に挑戦してみようという気持ちになれたんです。プロデューサーという立場でもディレクションやデザインに踏み込んでいける環境です。

根底にあるのは、好きなIPで力を発揮できるという会社の文化だと思います。自分はたまたまAPEXでしたが、好きなコンテンツへの深い愛着があるから、何がファンに刺さるかがわかる。その「好き」を前面に出すことが推奨されていて、それがそのままクオリティに直結していく感覚が、maxillaならではだと感じています。

─ 2年連続で担当する中で、チャレンジングだったことは何ですか。

1年目のINZONEブースが大盛況で、ファンが本当に欲しいコンテンツを届けられたという手応えがあっただけに、2年目はさらに期待を超えるものを作らなければというプレッシャーがありました。うまくいっているのでガラッと変えるわけにもいかない中で、どうアップデートするか──イベントが終わり、ブースが解体されていく様子を見てしみじみ余韻に浸りながら、既に来年のことを考えている自分がいて(笑)。その感覚がこの仕事の醍醐味だと思っています。


ONE PIECE DAY ‘25 ONE PIECE BASE SHOP Booth

担当:チャールズ(ディレクター)

─ プロジェクトの概要を教えてください。

ONE PIECEの公式旗艦店「ONE PIECE BASE SHOP」が2025年12月にオープンするにあたって、毎年開催される大型イベント「ONE PIECE DAY」の会場内に設けられた展示ブースのディレクションを担当しました。数年前から「ワンピース造形王」というフィギュアの造形大会に映像ディレクターとして関わったり、ONE PIECEとドルトムントのコラボ映像のディレクション(「ドルトムント×ONE PIECE マッチデイ2025」 )をしてきたという経緯もあって、今回の仕事につながりました。ブースのデザイン・パース制作・3D化、音楽と映像のディレクション、当日の施工ディレクション、リキャップ撮影まで、全体的に関わっています。

─ この仕事において「maxillaならでは」と感じたアプローチを教えてください。

IPに対する深い理解と、その中からクリエイティブのヒントを探すところが、maxillaらしさだと思っています。今回のブースは「冒険で島を巡る楽しさを感じながら、ショッピングを楽しむ」というコンセプトだったので、その世界観を耳でも体験してもらうためにオリジナル楽曲を制作し、BGMとしてブースで放送しました。自分はこのプロジェクトを機に原作を読み込んだんですが、各チャプターには必ず「背景・歴史の説明」「バトル」「宴」という3つの流れがある。それをブースの音響設計に落とし込んで、シミュレーション的な曲・バトルの曲・パーティー的な曲という3曲の構成にしました。物語の構造が、そのまま空間体験のリズムになっていくというイメージです。

─ プロジェクトを進める中で、特に工夫が必要だったことはありますか。

ブースのパース制作とディレクションはほぼ初めての経験で、3D上のイメージが実際に施工可能かどうか見えない部分が多くありました。加えて、開発中の商品がかなりあり、展示する商品の総数が把握しにくい状況だったため、台座を汎用性の高い形にするなど、施工会社の方のアドバイスを積極的に取り入れながら、一緒に作り上げていきました。


感情展 ー短歌で詠み、イラストで描くー

担当:新津(プロジェクトマネージャー)

─ プロジェクトの概要と関わりの経緯を教えてください。

本展は、人気イラストレーターのMika Pikazo(ミカ ピカゾ)さんがクリエイティブディレクターを務め、「短歌」と「イラスト」という異なる表現領域を〈感情〉という共通の軸から捉え直す展覧会です。

もともと短歌が好きで、入社して初めて手を挙げた案件でした。しかも会場である角川武蔵野ミュージアムのディレクターが大学時代の恩師だったことも重なって、これはやるしかない!と直感したんです。

─ 担当した役割の範囲を教えてください。

maxillaでは、展示企画・展示構成のディレクション、展示物のデザイン、展示の音楽制作、チャプター説明文の執筆、コンテストの審査員業務まで、幅広く担当しています。「感情展」というコンセプト自体も、短歌とイラストをどうつなぐかというところから、企画段階で一緒に作っていきました。施工自体は別会社が担当しましたが、展示周りのクリエイティブはほぼ全般的に関わった形です。

─ 「maxillaならでは」を感じた部分はどこでしたか。

社内で完結できる範囲の広さです。展示デザインも、パースも、文章も、BGMも、多くは社内で完結できました。外部のディレクターやデザイナーと進めているとどうしても距離感が生まれてしまいますが、社内のメンバーだとその場で意見を出してすぐ反映してもらえる。そのスピード感と一体感が、今回の仕事では特に大きかったですね。Mikaさんともたくさん意見交換をして、一緒に作り上げる仲間という感覚で進められました。

── 試行錯誤が必要だった部分はありますか。

関わる方々が多かった分、テキスト情報などを横並びで整理しながら進めることが求められました。それぞれのチームと連携する中で、PJMとしての動き方を改めて考えさせられた案件でもありました。


イベント・展示の現場で求められること

─ここからはみなさんに伺えたらと思います。それぞれの目線で、イベントや展示の仕事でしか味わえない面白さを聞かせてもらえますか。

新津 現地に初めて行った時の感動です。パース上では「3.8mの短冊」といってもなかなかイメージがつかめないんですが、実際に現場で見ると圧倒される。目と耳だけでなく、身体全体で体験するものだなって思いました。

髙見 お客さんの生の反応をその場で受け取りながらディレクションできることが、映像との一番の違いだと思います。ここが盛り上がってるからトークを伸ばそう、逆に巻こうみたいな現場判断ができる。それがもう、めちゃくちゃアドレナリンが出るんですよね。

チャールズ 僕は施工翌日にファンの反応をこっそり見に行って、どこで足が止まるかを確認したんですが、そういう体験が映像とは全然違います。自分の制作物をリアルタイムで、しかも全身で体験するという点では、イベントやライブが一番かもしれないですね。

─ この領域で大切な能力やマインドとは何でしょう。

髙見 100%を最初から決めつけすぎないことだと思います。施工してみないと完成形が見えないし、お客さんが入って初めて完成するものなので。映像と違って現場で完成していく感覚があるから、「生ものを扱っている」というマインドが大事かなと。

新津 私も現場での即断力が重要かなと思っています。BGMのボリュームから美術品の配置まで、次々と判断しなければならない場面がたくさんあって。お客さんとして考えた時に何が心地よいかという審美眼が、自分の中に根付いているかどうかが問われる気がします。

チャールズ みなさんと似ているかもしれないですが、柔軟性かなと思います。イメージが固まっていても、現場では変更が生まれるものなので、施工の方の意見をしっかり受け取りながら一緒に作っていく姿勢が大切でした。映像だと事前に全て準備することが前提ですが、イベントや展示は分業と現場対応が前提なんですよね。

─ 最後に、この領域に興味がある方へメッセージをお願いします。

髙見 僕がINZONEのプロジェクトに参加させていただいたのは、プロデューサーとして入社して、3ヶ月でのこと。役職に関係なく横断することが前提の会社なので、映像系のキャリアがあっても空間や展示に興味があれば全然チャレンジできます。

新津 イベントや展示と聞くと、映像などの一般的なPJM業務とは全然違うスキルが必要そうに感じるかもしれないですが、私はそれをほとんど感じなかったです。展示の構成を考えることやデザイン進行なども、情報整理という意味では日常のPJMの仕事とつながっている。肩書きにとらわれず、ぜひやってみてほしいと思います。

チャールズ 自分をひとつの肩書きに固定しない人が向いていると思います。イベントや展示はこれまで磨いてきたスキルを総合的に実践できる場で、自分の制作物をとにかく大きく見たい人にもおすすめです。

  • Speaker

    Tatsuru Takmi
    Charles Chung
    Moe Niitsu

  • Text

    Kentaro Okumura

  • Edit

    Yamato Soma
    Aiko Hinokuma

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