与えられた役割に縛られず、主体性を発揮して活躍する──maxillaにおけるプロダクションマネージャーの定義
2023.06.12
Helixes Inc.のメンバーやそのマインドについて発信していく「Helixes.log」。
今回はHelixesのクリエイティブエージェンシー/プロダクション事業である、maxilla事業部の プロデューサーの田中と園川、ディレクターの松野の3人に、プロダクションマネージャーという仕事について語ってもらいました。
maxillaのプロダクションマネージャーは他社とどう異なるか
─プロダクションマネージャーとはどのような職種なのでしょうか?
田中 基本的な定義としては、プロジェクトのスケジュールと予算を管理する職種です。私自身、前職の会社で5年ほどプロダクションマネージャーを経験しましたが、最初はなんとなくプロデューサーのアシスタントなのかな、という程度の認識でした。ただ、今となってはプロデューサーとプロダクションマネージャーは全く違う役割だと考えています。
一般論で言うと、プロデューサーはクライアントから仕事をいただいて、クオリティを担保するために予算の折衝をしたり、必要な人員を集めたり、企画の全体像を見てコントロールをしたり……といったことを役割として担います。一方、プロダクションマネージャーはどちらかというと、すでにある企画を形にしていくのが役割です。
ただ、maxillaのプロダクションマネージャーは、業務範囲が明確に決まっているわけではありません。プロデューサー、ディレクター、プランナー、デザイナーといった人たちと社内でチームを組んでプロジェクトを進めていくので、クオリティの責任は全員にあります。より自分の意見と柔軟な姿勢を求められるんです。
特にmaxillaはディレクターが同じチームにいて密なコミュニケーションを取れる距離感にあり、クリエイティブの理解を深めることはもちろん、時にはこちらからも提案をしながら、より良いものを作っていく姿勢が必要になってきます。業務範囲がはっきり分かれているほうが良い、という人からすると大変に見えるかもしれませんが、ディレクターと一緒になって企画をしたり、クリエイティブに携われるのが僕がmaxillaに入った一つの理由でもあるんです。
入社1年目から企画会議に参加したことが糧に
─maxillaのプロダクションマネージャーはただプロジェクトを進めるだけではないと。よりプロデューサー目線が必要になってくるんですね。
田中 そうですね。それに「このプロジェクトの性質に合いそうだから」という理由でアサインされることもよくあって、こうした点も他社にはあまりない特徴かなと思います。
園川 私は入社当初は未経験でプロダクションマネージャーに就いたので、実写映像を学ぶために大地さん(田中)に付いて一緒に進行することが多かったんですが、コロナウイルスの影響で撮影がほとんどできなかったんですね。実践の機会が減った一方で、最初から大地さんとともにディレクターたちとじっくり企画を考えるという経験を積むことができたのは幸運だったなと思っています。
また当時は、教育システムが今よりも確立されていなかったということもあり、「PMとは?」をしっかり学んだ上で案件に参加するという形ではなく、進行中の案件に参加して学ぶことがほとんどでした。なので変な話、「プロデューサー含め先輩の指示を受けつつ、役割の中で動く」というよりは、いいものを作るために自分に何ができるかを考えとにかく実行してみることが、結果的に進行管理として機能した、という感覚でした。職種関係なく、いいものを作るために動くということを最初から教わりました。
実際に、初めて自分がメインでプロダクションマネージャーとして現場を回すときも、ただ予算と進行を管理するだけでなくて、クライアントとの折衝も行っていました。今思い出すとプロデューサーとの境目をあまりわかっていなかったなと思いますが、当時はやりがいを強く感じていたことをよく覚えています。
少人数だった初期時代に築いた仕事への向き合い方が風土を生む
─今でも職務領域が明確に分かれていない感覚はありますか?
園川 前よりは明確になってきているかなとは思います。とはいえ、プロジェクトがスタートすれば、その内容や規模によって役割のグラデーションは発生します。この会社の特徴だと思うのですが、チームとしてそれぞれの強みを活かすとなったときに、職種の名前や一般的なイメージに縛られずに、それぞれが最も力を発揮できるように動こうという意識があると思います。逆にもっとクリエイティブに近い仕事をしたければ、ディレクションに軸足を置いたプロダクションマネージャーとしての動きもできるのかなと。そういう柔軟性がmaxillaの特徴ですね。
松野 会社の成り立ちも関係していると思います。maxillaの立ち上げ当初はプロダクションマネージャーなんて職種があるわけでもないし、プロデューサーやディレクターの違いすらあまり分かっていませんでした。仲間内だったし「やれる人がやれることをやる」というスタンスでプロジェクトを進めていたんですね。
─肩書きやポジションというよりは、動けるメンバーで手分けして進めると。
松野 僕はその頃からディレクターでしたけど、クライアントと予算の話もするし、予算の中でどういう場所を借りて、何人スタッフをアサインして、お弁当をいくつ準備して…といったことも考えて動いていました。もちろん他のスタッフが手伝ってくれるときもありましたけど、いい意味で役割を決めきらずに、動ける人が動くというスタンスでやってきました。一般的にはまず所属する職種がはっきり決められて、その範囲内の仕事に集中するということがほとんどだと思うので、そこがまず違うところなのかな、と。
─工数管理や勤務実態の把握という意味でも多くの企業はそうした縦割りを徹底しているでしょうね。
松野 ですよね。ただ、そういう職種を超えた動きを当たり前とする意識がHelixes全体にはあって、先程の2人の話にも繋がっているんだと思います。もともとmaxillaにあった風土に、新しいメンバーが入ってどんどん拡張してくれているとも言えますね。
やりたいことをやるために会社とwin-winな関係を作る
─一人ひとりが自立して働いているからこそだと思いますが、そうした働き方をしながらも組織に身を置くメリットについてはどう考えていますか?
園川 組織にいてよかったと思うのは、社内に多様な人がいるのでコミュニティを広げやすかったり、幅広いプロジェクトに関われたりすることかなと思います。
私はアニメやイラストの領域に関わりたいと思っていたのですが、最初にアサインされたのは実写映像の仕事でした。そこで実写の作り方やプロダクションマネージャーとしての仕事の進め方を学んだのですが、先程も言ったように、その経験は今の自分にもとても大きなものだったと思っています。プロデューサーやディレクターなど様々な視点を持った人と話をすることで、それぞれの考え方を多角的に理解することにも繋がりました。
今はアニメやイラストの仕事にチャレンジできているのですが、過去の経験がとても活きています。自分の幅を広げてくれるという点は、組織にいる価値なのかなと思います。
─自身の幅を広げていく場所としての会社や組織ということですね。
園川 言い方が悪いかもしれませんが、自分がやりたいことのために会社をうまく活用できたな、という感覚があります。でもそれは会社側も一緒で、たとえば私がいることでイラストの案件を受けやすくなったというメリットにも繋がっているはずです。チームと自分にとってのwin-winの関係を築くことで、自分にとって想定よりも大きな価値が生まれたなと実感しているところです。
田中 今の話はすごく共感しますね。maxillaとの親和性を考えると、プロダクションマネージャーのマインドセットとして、「自分がやりたいものしか作りたくない」という人はちょっと厳しいかもしれなくて。
こだわりを持つのは大切なことですし、僕にもそういう思いがないわけではないんですけど、Helixesは組織全体で成果を出し、自分にどう還元できるかを考えられる会社です。まみちゃん(園川)のように、例え最初は自分が望む領域でなかったとしても、チームのために動いていいものを作っていくことで、その後の自分の活躍の幅を広げることに繋げれると思うんですよね。広い視野でプロダクションマネージャーという仕事を捉えてくれる人だとmaxillaやHelixesという会社にマッチするかなと思います。
「俺がやる」ぐらいの心意気がある人と働きたい
─maxillaはそもそもこの領域の仕事がどう成り立っているかという根本的な部分からの理解がしやすいのかな、とも思います。
田中 それはありますね。こと大きな映像プロダクションのPMの場合、代理店から受注した案件を無事に納品することが主な業務内容なので、「なぜこの映像を作る必然性があったのか?」「どういった形で使用され、誰が届けるのか?」など、その仕事の前後を知ることができないことが大半です。
一方で、maxillaは直接クライアントと仕事をすることが多く「どうすればこの商品を人に届けることができるか」という根本の部分から話がスタートするんですね。クライアントの業界構造への理解も深まりますし、どういう予算の流れになっているかというビジネス的な視点も得られるようになります。根本から議論しながらプロジェクトが進むことが多いので、どういうクリエイティブが必要なのかといったことの解像度が必然的に高くなっていきます。
松野 そうだね。だからこそ、根本的なことを理解しながら、「俺がやる」とか「こういうのを作ろうよ」といった、自立性とか、主体性みたいなものも求められていくのかなと思います。大地もよく、「俺がやる」って言っているけど、そういうマインドは大事だよなって、今の話を聞いて改めて思いました。
田中 「俺がやるんじゃい精神」ね。やっぱり、基本的にはプロデューサーとかプロダクションマネージャーといった職種はあれど、自分がやりたいっていう気持ちが強い人のほうがいいかなと思います。自分が興味のある領域だけでなくて、です。未知の追求、みたいなスタンスですよね。もっと言えば、プロデューサーから仕事を奪うぐらいの人がいいですね(笑)。「じゃあ、俺がクライアントと話しますよ」とか「間に合わないから、俺が資料作りますよ」とかね。
僕は割りとそういうのを楽しめるタイプですし、「俺がいなきゃこのプロジェクトは回らない」という思いがあります。そのくらいの主体性や責任感を持って「この仕事は俺にしかできない」「俺がいるからこそもっと良くなる」ぐらいに思える人と働きたいですね。まってますッ☆
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Speaker
Daichi Tanaka
Mami Sonokawa
Takahito Matsuno -
Interview & Text
Kentaro Okumura
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Edit
Rise Haneda
Kohei Yagi
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