Helixesに導入されたメンター制度。メンターたちがふり返る“教える”ということ
2023.09.20
Helixes Inc.のメンバーやそのマインドについて発信していく「Helixes.log」。
Helixesが新たに導入したメンター制度。各新入社員に1人の先輩メンバーがメンターとして付き、仕事や精神面でのサポートを行なうことで、疑問や悩みを解決し、成長を支援することを目的としています。
初めてのメンターとなった3人に、新入社員をどのようにサポートしたか、教えることを通じて得た気づきなどをふり返ってもらいました。
いつでも質問しやすい環境づくり
─メンターとして新入社員をサポートするにあたって、心がけたことを教えてください。
二子石 僕がメンター役として付いているえいた(渡邉)は能動的に聞いてくれるタイプなので、あまりこちらからあれこれ言わないようにしようと意識していました。案件が一緒になることが多く、打ち合わせに同席したり、企画書をチェックしたりという形でサポートしていましたね。席も近かったので、えいたのペースに合わせて聞かれたことに答えるというスタイルでした。
あと意識していたのは、ディレクターの仕事については僕だけでなくて、他のメンバーからも教わってもらうようにしたことです。ディレクターに一つの正解があるわけではないし、それぞれの価値観、それぞれの正解があります。そうした多面性も身につけてほしかったので、僕が関わっていない案件の場合は担当ディレクターに直接質問するよう促していました。
─新津さんはどうでしょうか? 姫野さんとのペアだったそうですね。
新津 まずは仲良くなって、いつでも質問しやすい環境にしようと意識していました。ひめちゃん(姫野)に限らず、新卒メンバーはほとんど毎日出社していたので、自分も出社する頻度を増やしたりもして。それから、Helixesは独特なカルチャーで成り立っている会社でもあるので、一般的な会社との違いを意識して説明をすることもありました。ひめちゃんは私と同じプロジェクトマネージャー(PJM)職なので、PJMとしての精神論みたいなことも話したと思います。
─精神論というと?
新津 相手が今どういう気持ちなのか、何をしてほしいのかを推察することや、みんなが手の回っていないことを先回りするようにするとか、そういった心構えのようなことでしょうか。PJMは全体がスムーズに進むようアシストする側面が大きく、与えられた仕事だけをしていればいいわけではありません。そういったことを伝えつつ、ひめちゃんの仕事を見て「今、この人はこう考えていると思うよ」といったことを横から助言したりしました。
それぞれの個性に合わせてサポートしていく
─中瀬さんはいかがですか? 同じく新卒の山浦さんのメンターですね。
中瀬 お2人ほど何かを意識していたわけではなかったかもしれません。というのも、はなちゃん(山浦)と案件が一緒になるということがほとんどなくて、同じ案件になっている人にサポートをお願いすることが多かったので。私だけというより、プロデューサーチーム全体で支えていった、という感覚が大きいです。
また、はなちゃんは積極的に質問してくれる人なので、あまり教えているという感覚がないのかもしれないですね。私も手取り足取り教えるのが得意なタイプではないですし。彼女は状況に合わせて自分が何をすればいいかを見つける力に長けているので、その力を活かせるように意識していたように思います。
改めて考え直した「伝えること」の難しさ
─メンターという仕組みを通して、逆に自分が勉強になった点はありますか?
新津 教えることを通して、うまく伝わらないことはたくさんあるなと感じています。私が教えたことに対してひめちゃんが違う手順を踏んだとしても、振り返ってみると自分の伝え方が悪かったなということが結構あって……すごく申し訳ない気持ちになることもありました。口頭だけでは細かい部分まで伝えきれなかったりするので、できるだけ文字にしたり、資料にまとめるといったことは心がけるようになりました。
二子石 えいたは今の自分よりもハングリー精神が強いので、そういった姿勢は見習わなきゃいけないと感じています。また、彼は新卒メンバーの中ではわりと早い段階で大きな仕事を任されるようになったんですけど、ちょっとでも不安を感じたらすぐ相談してくれるんです。それって、若い頃の自分ができなかったことなんですよね。ガンガン動きながら、もっと良くするために気になることがあれば周りに聞く。そういうマインドセットは、改めて見習いたいと思っています。
あとは、新津さんも言っていたように、人への伝え方を見直すきっかけにもなっています。フィードバックするときは、できるだけわかりやすくなるよう心がけていますが、社外のクリエイターやクライアントにも同じぐらいわかりやすく伝えることを意識しているかな、と考えるようになりました。経験を重ねていくと、社内だけでなく、社外も含め多くの人とコミュニケーションを取るようになります。そんなときに、相手が知らないかもしれない横文字を使っていないかとか、どういう順番で話せば伝わりやすいかなどを意識し直すきっかけになっています。
中瀬 はなちゃんはものすごく優秀で、資料もめちゃくちゃ丁寧なんです。仕事の背景も読み取って、「ディレクターがこう考えていると思って、こうやって調べてみました」みたいなことを何も言わずにやってくれて、驚いたり。ただ私もそこに甘えず、もっと丁寧に説明できるところはしないといけないなという反省もあります。
メンターに指名されることでより深いケアがしやすくなる
─メンター制度が導入されたことで、気持ちの上での変化はありますか?
新津 これまでも新しく入ったメンバーに対しては全員で教えるカルチャーはありましたが、やはりメンターとして任命されると重みを感じます。責任感が生まれるので、聞かれたことに答えるだけでなく、日常的なメンタル面なども精神的な状態まで能動的に確認することが増えました。そういう意味ではすごくいい制度かなと思います。
新入社員からしても、聞く人が分散しているよりは、とりあえずメンターに聞いてみようと思えるので、気軽に質問できるようになったんじゃないでしょうか。
中瀬 キャパを超えていないかどうかについては、メンターだからこそ特に意識できることかもしれませんね。私も、はなちゃん本人はもちろん、案件を振っている人にも状況を聞いたりして、メンタル面のサポートをしようと心がけていました。例えば現場に付いてほしいといった依頼も、一度私を通してから彼女に伝えるなど、周りの人も丁寧に気を使ってくれたのを感じています。
新しい人が入ることは仕事の楽しさ、組織の強度にも繋がる
─今後もHelixesでは新しいメンバーの採用を積極的に行っていきますが、新しい人が入る意味をどう考えていますか?
新津 まず新しい人が入ることで、その人の要素を会社にプラスすることができるのがいいですよね。性別や国籍といった属性的なところ、性格や趣味といった個人的なところも一人ひとりみんな違いますから。多様な個性が会社に所属することで想像力が増し、より多くの人に刺さるものを作りやすくなるんじゃないかな、と思います。
二子石 個人的には、カルチャーが好きで映像をはじめた経緯があるので、そういう人が増えていくことは単純に嬉しいです。maxillaの創業メンバーはハードコアやメタル、海外の音楽カルチャーが好きな人たちが中心でしたが、そこへK-POP好き、お笑い好きなどさまざまな趣向を持つメンバーが入ってきて、今はよりミックスされた強固なチームになってきている。各々の好きを持つ人達に囲まれながら仕事ができるのはすごく楽しいですね。
ディレクターとしても、企画を考えるときに、その案件に合ったファンが社内にいることが増えていくことにもなります。この視点で考えると、新しい人が増えていくことは、組織としての強みにも繋がっていきますよね。
Helixesは独特なカルチャーがあるから、新しい人は馴染みにくいんじゃないかと言われることもありますけど、全然そんなことないと思っています。Helixesは、知らないことに対して物怖じしない人ばかりなので。自分が詳しくないカルチャーを好きな人が入ったら興味を持って接しますし、オープンな雰囲気なので、組織に馴染むのは全然苦労しないかな、と思います。
中瀬 私もいきなり飛び込んできたような人間なのですが、Helixesのみなさんはフラットに接してくれました。強引に会社のカルチャーに合わせるようなコミュニケーションをしてくることはなく、私が無理なく活躍できる場を考えてくれた。どのようなバックグラウンドの人も、ありのままで仕事ができる会社なのかな、と思います。
人によっては距離感の取り方が、ドライに見えるかもしれませんけど、それは個を尊重しているからこそなんですよね。会社と合わない部分があるからといって責めることは絶対なくて、その違いを受け入れたうえで、組織としての強みに落とし込む力を持った人が多いんだと思います。だから、どんどん新しい人に入ってもらうことは、組織を強くするという意味でもメリットは大きいのかなと思いますね。
後日談:メンター制度を受けて
メンター制度を受けてみてどうだったか、その心境を新卒の3人にも聞いてみました。
山浦「映像業界自体が初めてなのですが、細かい業務内容はもちろん、コミュニケーションの取り方や、現場の回し方など言葉で説明しにくいような部分を、中瀬さんの姿から学んでいます。よく分からないまま現場に行っても、まず何をすればいいのかからすごく丁寧に教えてくれました。」
姫野「新津さんは仏のように広い心で、毎日私を助けてくださいます。分からない作業内容はもちろん、忘れかけていた細かい箇所まで「大丈夫?」と声をかけてくださったり、思い悩んでいるときに「無理しないでね」と心配してくださったり…最高MAXなメンターです。いつもありがとうございます!」
渡邉「二子石さんが仰っているように、同じ課題でもディレクターによって取り組み方が変わってくる。そういう部分をできるだけ多く選択肢として持っていくことが人を束ねる立場としては大事だと思っていました。お仕事が違えば、人が違えば伝え方を変えなければいけないなと。そのため、できるだけディレクターでも色々な方に、時にはディレクター以外の方とも会話していくように心がけていきました。その点で自由にやらせていただいたのはすごくありがたかったです。OJT後半ではわけがわからないまま質問するより、一度自分の中で咀嚼してから「これは誰に聞くのが1番スムーズなのか?」と考える時間が増えていったと感じています。」
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Speaker
Kazuya Futagoishi
Moe Niitsu
Shiho Nakase
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Interview & Text
Kentaro Okumura
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Edit
Kohei Yagi
Hanako Yamaura
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