誰にも負けない熱量で自分の “好き”をプロデュースする──総合広告代理店、事業会社を経験した2人が、Helixesを選んだ背景
2023.03.29
Helixes Inc.のメンバーやそのマインドについて発信していく「Helixes.log」。
今回は、maxilla事業部のエージェンシーグループでアカウントプロデューサーとして2022年に入社した豊島、松井の2人に、Helixesが求めるアカウントプロデューサー像について話してもらいました。
総合広告代理店から事業会社、そしてHelixesという共通点をもつ2人は仕事に対し、何を求めてきたか。その来歴を辿りながら、現在のミッションとHelixesの特徴に迫ります。
あらゆる面からコンテンツに関わってきた2人のキャリアの概観
──まずはお二人のこれまでのキャリアを振り返りつつ、Helixesに関心をもった背景を教えてもらえますか。
豊島 就活の頃から振り返ると、志望企業が総合広告代理店だったのですが、学歴的に受かる可能性は低いと思っていました。とにかく数をこなさなきゃどこも入れないのではないか?と考えて、本当にたくさんの面接を受けたんです。しかし、場数を経験したからなのか意外にも上手くいって、第一志望だった(株)博報堂に入社することができました。よく広告業界は激務と言われますがその言葉に偽りはなく、入社してから3年間くらいは辛いことばかりでしたが、会社の方々に可愛がっていただいていたので、なんとか耐え抜きました……。

色々な業種のクライアントを担当する中で、入社4年目から大手ゲーム企業を担当しました。特に自分の好きな領域だったので、非常に良いパフォーマンスを出すことができたと思います。その後社内ローテーションの関係で他の部署に移ったのですが、どうしてもゲーム業界の仕事の楽しさを忘れられず、ゲーム業界でもっと活躍したい、事業会社側を経験したいと思うようになり、(株)GameWithに転職しました。
事業会社側に回ってみると気づいたのが、クリエイティブよりはビジネス的な旨味が優先だということです。冷静に考えたらそうだなと思います。クリエイティブはあくまでも事業をどう彩るかであり、売上の根本に関わることはありません。結果、クリエイティブは二の次になってしまうのを実感しました。本来はブランドを作っていくためのコミュニケーション戦略や事業立案までやってみたかったんですが、それならエージェンシー側に身を置いたほうがそうした希望を叶えられると思ったし、自分の好きなクリエイティブに寄せることもできるかもしれない。そこで次の転職先を探しているとき、当時のクライアントから「好きな会社があって」と教えてもらったのがHelixesだったんです。
松井 僕は豊島とは逆かも。というのも、1社も(面接を)受けていないんです。もともと僕はすごく打算的で。高校生のときに気づいたらギャル男になっていたんですけど、その傍らでサッカー部もちゃんとやりながら、バンドもやったり、いい意味で何か1つにコミットせず、自分の良さや持ち味をいろんなところで活かしたいと思ってきました。大学では1、2年時に早くもリクルートやSamsungでインターンをしたり、2年生の途中で休学して、岐阜の酒蔵に半年間ほど住み込み修行したこともあります。学生という肩書きは強いから、厚顔無恥になっていろんな門を叩いていたんですよね。ついでに言うと、その後はカリフォルニアの州立大学に1年半ぐらい行きました。
──かなり濃厚な学生時代ですね。

松井 その後は大学3年時にインターンしていたということもあって、総合広告代理店の(株)ADKに入社することになりました。当時は五輪誘致をしていた頃で、いきなり東京2020プロジェクトの部に配属されて。僕は就職活動もしていなかったので、髪も髭も整えずにそのまま入社して、ヒゲにロン毛だったんですけど、配属が決まった5月早々に文科省へ挨拶に行くからって、流石に髪を切らされましたね(笑)。そこではオリンピック事業にまつわるスポーツマーケティングだけでなく、イベントプロデュースやコミュニケーション施策、などかなり幅広く携わりました。リオオリンピックでも現地に2か月ほど滞在してPR周りを手伝った経験があります。
そこで5〜6年ほど働いた頃でしょうか。広告代理店という立場のジレンマも感じつつ、何か一つのプロダクトへ向けて心血を注いでいきたいという思いが強くなり、僕も事業会社側へ転職することにしたんです。そこで関わったプロダクトが、株式会社MIXIの「モンスターストライク」でした。
──なぜそのタイトルだったのですか?
松井 当時も今もおそらくナンバー1のアプリゲームだと思うのですが、その規模のプロダクトの立ち回りやマーケティングだったり、予算感、スピード感を味わいたかった、というのがその魂胆でした。ただ、今後もずっと1つのプロダクトだけにコミットし続けるのはちょっと違うというか、もっと自分のバックグラウンドに根付いているカルチャーや、やりたいエンタメがあるなと気づいて。漫画やアニメ、ゲーム、音楽など、学生の頃から影響を受けてきたいろんなエンタメをドライブできるような存在になれたらいいな、と。それに、僕はかつて友達の兄貴やヤンキーの先輩に教えてもらったように「もっとこんな面白いエンタメがあるんだよ」と、誰かのためにキラキラした生きがいみたいなものを届けるのが使命だと勝手に思っているんです。
映像だけではなく、総合的なプランニングを提案できるように
──転職の際の基準はありましたか?
松井 大企業で働くと分かるんですけど、大企業である一番のデメリットは縦割りなんです。自分が心血注いだものが知らない部署の知らない人に触られることは日常茶飯事です。僕は目の届く範囲でみんなと一緒に制作物も作っていきたいし、プロジェクトをやり遂げたいタイプだったので、ブティックのような小回りがきく規模がよかった、というのが一つあります。
もう一つは、制作機能を社内にもっていること。これも、総合広告代理店時代にムズかゆく感じてきたことでした。Helixesには何か作ろうと思うとすぐ手を動かせるメンバーがいて、しかも彼らとは見てきてるリファレンスやカルチャーの共通項があるから、意思の疎通も速い。着想から可視化までのスピード感が圧倒的に違うと実感しています。
──今関わっている案件について教えてください。
豊島 「VALORANT」という、今かなり人気のゲームがあるのですが、このタイトルをどう広めていくかという段階から関わらせてもらっています。「ゲームを広める」といってもその手法はさまざまだし、作るべきアセットや、そのトンマナも無限にありますよね。課題解決に、うちが得意とする「映像」が適さない場合もあります。
これまではそうした様々な制作物の枝葉の部分しか発注してもらえなかったんです。じゃあ「映像」はmaxillaに、という感じで。もちろんそれはそれで一つの形ですが、より上位の階層でクリエイティブパートナーとしてコンサルティングできるようになると、全体設計やビジュアルのコンセプト、そしてその中で自分たちがどんな制作物を作るかまで考えられるようになります。その分やることは増えますが、やりがいも大きいですね。
松井 これまでは単発で映像制作の受注を受けることがほとんどでした。それが、現在はコンセプトメイキングの部分から関わり、イベントなどのリアルプロモーションやメディアプランを含めた通年のPR戦略などに落とし込んでいくような、統合的なコミュニケーションプランまでも提案できるようになってきている。こうした点は、僕たちが入社したことによる新しい風でもあるのかなと思います。
クリエイティブだけでなく、ユーザー目線に立った分析思考を併せ持つ人
──今のアカウントプロデューサーに求められる能力とは何でしょうか?
松井 僕の感覚ですが、弊社に限って言うと、制作に疎いとちょっと厳しいかもしれません。ディレクターやプロデューサーとは近い関係性にあるので、受注したら「あとはよろしく」では通用しない。どうすればディレクターやプロデューサーに気持ちよく動いてもらえるかについては、制作側に立ったことがあるか、立ちたいと思っている人じゃないと分からないと思うんです。あと、より良いものを作るために、こちら側が消費者目線でのフィードバックをしてあげないとなとも思います。作り手やクライアントの思いが強すぎてバランス感を失いそうなとき、エンドユーザーとの向き合い方を思い出させる役割もあると思います。

豊島 会社の展望としては今後も規模を拡大していきたいので、新しい領域のクライアントを自ら開拓できて、プランニングができて、制作陣と連携できるという力は大切です。とくに新規企業の開拓については、僕もこの会社に入るまで経験したことはありませんでした。総合広告代理店では、既に構築されたクライアントとの繋がりを継続できれば売上が立つので問題がなかったんです。最初は新しい動き方にちょっと困惑したのですが、熱意を持ってがむしゃらに動いてみると、段々うまくいき始めました。
実際、VALORANTの仕事は、入社後半年ほど足を使って何度もクライアントに会いに行ったことが結果につながっています。古臭く聞こえるかもしれませんが、タフさやガッツが重要なときもあると思います。売上を立てる責任感と、最後まで案件をしっかり見届ける覚悟を持って頑張っています。
松井 こういうことを軽々しく言えるのは、僕らが大変なことを楽しんでやれるタイプだからなんだと思います。誰もが向いているわけじゃない。でもこんな大きなクライアントとの、こんな商材に関われるのが、あまたある広告の中で自分たちだけだというのは、結構すごいことだな、と思うんです。だからこそ、別に多少汗水を垂らすくらいなんてことないという感覚はあります。
話を戻すと、もう一つ重要なのは消費者目線に立って考えられること。制作物が公開されたとき、誰が、どこで見て、どう感じて、どう発話して広がっていくのかをイメージする力です。
Helixesの課題の一つに、クオリティの高い映像を作ったものの、再生回数がそこまで奮わなかった、というパターンがあって。SNSへの出稿など、もう少し事前に戦略を立てられるとより良い結果が出たのでは、と思うんですよね。クリエイティブだけでなく、それがどのように見られるかまで考えられる人はHelixesに合うんじゃないかなと。
好きなものへの熱意と、マーケットを俯瞰する冷静な目線を
──総合広告代理店経験のあるお二人からみてHelixesのポテンシャルはどこにあると思いますか。

豊島 やはり、まずはファン力じゃないでしょうか。カルチャーの造詣が深く、その領域の商材のユーザーインサイトを理解しているから、ファンに刺さるプランニングを作ることができる。ここは他社に対しても太刀打ちできると思います。大手の総合広告代理店は政治力もあるし、メディアやタレントとのネットワークもある。ドラマのタイアップやマスメディアを中心としたプランを提案してこられると、正直勝てません。
組織構造上の側面で言うと、先ほど松井も言っていましたが、企画立案をする人と実制作を行う人が常に連携できる環境なので、仕上がりイメージの乖離が起こりづらい点が挙げられます。小さい会社だからこその小回りが利くという点は強いと思います。
松井 Helixesに来てから、どんな案件にもクリエイティブは最高なものを出せますと胸を張って言えるようになりました。スタッフの顔が見えているから、クリエイティブのイメージもしやすい。質の高さを担保できるのは大きいですね。
最近はありがたいことに、ここまでの実績のおかげや、ホームページや弊社のSNS投稿を見かけていただき、オーガニックのお問い合わせを結構いただくことが増えました。ここから、クリエイティブ以外のご相談でも取りこぼさないようにするのが、エージェンシーチームの役目だと思っています。
──どんな思いや課題感を持っている人が合うと思いますか。
豊島 誰にも負けないくらい好きなものがあって、それを仕事にしたい人です。僕は総合広告代理店時代、正直に言って、あまり興味が無い商材の広告をたくさん作ってきました。でもだからこそ、自分の好きなものを自分でプロデュースしてみたい、という思いは人一倍強いはず。あとは自分で仕事を取ってくるだけの話です。

松井 自分の好きをプロデュースすることや、アウトプットに繋げたいという思いが強い人は向いてるのかな。僕の人生のテーマに「自分が手がけたもので誰かの人生を前向きにする&自分の“面白い”を世間と分かち合う」というのがあるのも大きな要因ではあるのですが。言うなれば、ただ「大きな裁量権をもって働きたい」だけがモチベーションだと、この会社では空回りすると思います。好きなものへの熱意を失わず、いっぽうでマーケットやエンドユーザーを冷静に見ることができる人なら、これからのHelixesできっと活躍できるはずです。
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Speaker
Ryo Matsui
Shintaro Toshima -
Interview & Text
Kentaro Okumura
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Edit
Kohei Yagi
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